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2019.02.21
健康情報

第1回 バランスの良い食事を!

みなさまの健康にお役立ていただけますよう、健康情報を順次掲載いたします。

第1回 バランスの良い食事を! PDFファイル

何を食べるかが健康の鍵

バランスの良い「食事」と適度な「睡眠」は健康を保つために欠かせないものです。特に食事に関しては、「何を食べるか」という判断次第で、健康にも、不健康にもなり得るのです。

そこで、まずは脂質(油)の問題をテーマに取り上げます。第1回は食事で得られる栄養素の種類と、それぞれの働きを見ていきたいと思います。

第2回は、みなさんが一番気にしていると思われる、「脂質(油)」が引き起こす健康上の問題点を解説します。第3回からは、脂質(油)の摂り方について、できるだけ具体的にお話ししたいと思います。今後のみなさんの食生活の参考になれば幸いです。

5つの栄養素を知ろう

ご存知の方が多いと思いますが、栄養素は大きく5つに分けられます。

糖質・タンパク質・脂質・ビタミン・ミネラル、これが「五大栄養素」です。このうち糖質・タンパク質・脂質は必要量も多く、エネルギー源になるので「三大栄養素」と呼ばれています。

初めに糖質です。ピンとこないという方は、「炭水化物」と言い換えればお米・パン・パスタなど色々思い浮かぶと思います。一般的に主食と呼ばれるもので、全身の筋肉や脳の活動のエネルギー源となります。

次にタンパク質。これは人間の身体を形作っている物質です。肉や魚、卵などを食べることで補給できます。ちなみに、タンパク質とは「アミノ酸」がいくつもくっついた集合体のことです。

3つめは脂質。水・タンパク質に次いで3番目に割合が多い人体の構成成分です。例えば、「体脂肪率20%」のように表されるので、割と身近な存在だと思います。揚げ物などを多く食べると蓄積されてしまいます。

残りはビタミンとミネラルです。ビタミンは種類が多く、野菜や果物ばかりでなく肉や魚に含まれるものもあります。ミネラルは海草類や魚介類、キノコなどに多く含まれます。

ビタミンもミネラルも身体の構成成分やエネルギー源になるものではありません。補助的に働く成分です。しかし、身体にとっては必ず必要なものですので、軽視してはいけません。 ビタミンが足りなくなることで起こる病気として、「脚気」や「壊血病」が有名です。

例えば脚気は、「食欲がなくてなんだかだるい」から始まります。

そのうち、神経や筋肉の働きが低下して、特に下半身にしびれやむくみが出たり、動悸がしてだんだん動けなくなります。最後は、心不全で死に至るというものです。

現在では、脚気の原因はビタミンB1の不足ということがわかっているので、これを食事で補えば良いわけです。しかし、今から100年ちょっと前までは、脚気は原因がわからない恐ろしい病気でした。

何を食べるかは命に関わる!?

この脚気については、あまり知られていない事実があります。

明治期に日本の軍隊が脚気の原因究明に力を入れていた頃のことです。みなさん「森鴎外」をご存じですよね。小説家として非常に有名ですが、実は森鴎外は陸軍の軍医でもあったのです。

当時、陸軍は花形の部隊でした。花形の部隊には高級食料の「白米」が配給されていました。きれいに磨かれた白米は甘くおいしく、兵士たちが喜んで食べた様子が想像できます。一方、海軍部隊に配給されていた食料は「麦飯」だったのです。

食べる方からすれば、白米と麦飯どちらが嬉しいかと聞かれれば、当然白米だったでしょう。しかし、結果的に白米を食べ続けた陸軍にだけ、大量の脚気死亡者が出てしまったのです。

これはなぜでしょう。陸軍軍医であった森鴎外は、脚気は「脚気菌」によって起こると主張しました。当時最先端のドイツ医学を学んでいた森は、「脚気は感染症」であるという仮説が頭から離れず、この考えに賛同する多くの研究者たちが脚気菌の発見にやっきになっていました。

これに対し、海軍軍医の高木兼寛は、原因はわからないが、白米をやめて麦飯にすれば脚気を予防できると説いたのです。

これは疫学的考えなのですが、簡単に言えば「原因よりもまず結果」、つまり、脚気患者が減れば良いということです。

ちなみに高木軍医は「海軍カレー」の生みの親と言われています。

この高木の意見を、森鴎外は「医学的根拠のないものなど認められない」と一蹴したのです。この判断ミスによって、日露戦争(1904~5年)では陸軍兵の4人に1人が脚気にかかり、3万人もの命が奪われたと言われています。

ビタミンの発見から100年後の食事

日露戦争後の1911年、鈴木梅太郎という科学者が、脚気の原因は米糠に含まれる成分の不足であることを発表しました。

生きるために欠かせない未知の栄養素「ビタミン」の存在を、人類がはじめて知ったのです。きれいに磨いた白米にはこの成分が欠乏していたわけです。

この成分がビタミンB1であると確定したのは、さらに10年後のことでした。

「何を食べるかの判断次第で、健康にも、不健康にもなり得る」と、最初に述べましたが、脚気と森鴎外の話はまさに、この「食事」と「健康」の関係性を物語っています。

海軍が採用した麦飯は評判が悪かったのですが、麦に含まれていたビタミンB1が海軍兵の命を救ったわけです。

ビタミンやミネラルは補助的に働くものですが、必ず必要なものだという意味を、わかっていただけたかと思います。

ところで、わずか100年前までビタミンの存在を知らなかった人類が果たして、この100年ですべての栄養素を解明できたのでしょうか?

そんなことはあり得ないでしょう。それゆえ、特定の成分だけを抽出してつくられる現在の多くのサプリメントは、一概におすすめはできません。基本的には、様々な栄養素はバランスの良い食事から摂取すべきなのです。

そこには身体に不可欠な未知の栄養素が含まれているかも知れませんから。

この考えに基づいてアーデンモアの健康食品は、厳選した食材の栄養を丸ごとカプセル化あるいは粉末化する製法でつくられています。

作業の効率化が難しく、生産量が限られるということはあります。しかし、毎日の食事と同じように自然な形で栄養素を身体に届けることができるのです。

タンパク質不足には「おん」、野菜・果物不足には「SEI」、本当に身体に必要な脂質を補うには「RIN」を、毎日コツコツ続けてください。

バランスの良い食事の基本はご飯と味噌汁

ご飯を5分~7分づきにすれば、ビタミン・ミネラルも摂れます。白米には雑穀を混ぜて。

「味噌は医者いらず」たっぷりの野菜と豆腐や肉・魚などのタンパク源を組み合わせれば、おかず代わりにもなります。(薬剤師 吉野 仁)